文科省が実施した3年間の調査で判明した。チームの佐藤比呂志・東大地震研究所教授は9日、結果を静岡県に伝えた。千葉市で20日から始まる日本地球惑星科学連合大会で発表する。 調査報告書などによると、富士山の東山麓で人工地震波などを使って地下構造を探査し、御殿場市付近で地下に隠れている断層を発見した。 数十万年前以降の火山噴出物の地層を動かした形跡があり、活断層の可能性が高いと分析した。北東-南西方向に伸びる長さ約30キロの逆断層で北西に傾斜しており、下端は富士山直下の深さ十数キロと推定。マグニチュード(M)7級の地震を起こすとみられ、揺れで東斜面が崩壊し、大量の土砂が雪崩のように下る「岩屑(がんせつ)雪崩」や泥流が発生する恐れがあり「甚大な被害を周辺地域に引き起こす危険性がある」と結論付けた。 富士山では約2900年前に大規模な山体崩壊と岩屑雪崩が発生した後、泥流が御殿場付近を広範囲に埋め尽くす「御殿場泥流」が起きた。地震などが原因とされており、今回の断層が動いた可能性もある。 この断層は御殿場泥流以降に動いた形跡はほとんどなく、地震の頻度は数千年に1回程度とみられるが、切迫度などは分かっていない。佐藤教授は「山体崩壊は噴火を伴う場合は事前に分かるが、突然の地震で起きると避難する余裕がなく、防災上は厳しいシナリオになる」と話す。 この断層は活断層「神縄(かんなわ)・国府津(こうづ)-松田断層帯」の西側延長線上にある。付近は泥流の堆積層で厚く覆われ地下構造は不明だった。国が平成16年に作製した富士山のハザードマップもこの断層は想定していないため新たな防災対策を迫られそうだ。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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